痴漢をしてしまう人は他人の気持ちに対する想像力が欠けています。

相手の気持ちを想像できるなら痴漢はしたくてもできませんからね。

裁判でも被害者の気持ちを考えられず、自分を守るための発言をして怒られる人もいました。

本人としては考えているつもりなのに、実際はまったく考えられていないわけです。

想像力の欠如は夫婦関係にも大きな影響を及ぼしています。

再犯防止のために改善しないといけないのは当然ですが、潜在的な夫婦関係の問題を解消する上でも重要なのです。

妻を悲しませ続ける思いやりのない夫

想像力が足りないことで普段から問題のあるコミュニケーションを取っています。

例えば、いつも晩御飯を作ってくれる妻から「帰りにお弁当買ってきて」とLINEがきたとして。

「しんどいのかな」「そういえば疲れている感じだったな」と妻の気持ちを想像することはなく、ただ「了解」とスタンプを返すか「何を買ってきたらいい?」と聞くだけ。

晩御飯が食べられなくなることはないのですが、妻は自分のことを考えてもらえていないと思って悲しい気持ちになります。

普段からこういったコミュニケーションを繰り返しているため、些細なことで怒られるようになってしまう。

本人にしてみれば言われたことはやってるし、他の夫婦に比べたら家事にも育児にも協力的なのにと不満が募っていく。

「なぜ些細なことでこんなに怒られるんだろう」と理解できないまま、妻を責めてイライラしていたり、どうすればいいのかと困っていたりする人が多いです。

なぜ相手の気持ちが想像できないのか?

発達障害による想像力の欠如が問題のケースもありますが、たいていは自分のことしか考えてこなかった自己中心的な思考が原因です。

「相手がどう思うか」ではなく「自分がどうしたいか」ばかり。

思い通りにならないことがあればイライラして黙り込む等、あからさまな態度でコントロールを試みます。

とにかく自分の欲求を満たすことが最優先、相手の気持ちはどうでもいいことになっているのです。

だから、相手に関心を持つことが少なく、表面的にしか見ることができない。

怒られたからやめとこうとか、機嫌が悪そうだからそっとしておこうとか、言われたからやろうとか…

目に見える相手の態度だけで判断して、背景にある気持ちまで考えることがありません。

自分の気持ちにも鈍感で上手く表現できない

相手の気持ち以前に自分の気持ちもよくわかっていないところがあります。

カウンセリングで過去のエピソードや日々の出来事をお聞きしても出来事を羅列するだけ。

自分が何を感じて何を思ったかの話がないのです。

仕事内容の説明はスラスラ出てくるのに、感情にまつわる話をすると急に話せなくなってしまう。

幼少期から親との会話で気持ちに焦点を当てることが少なく、お互いに気持ちを伝えあうような深い関係の友達もいなかった。

家庭環境でどうしても感情を抑圧せざるを得なかった人もいます。

自分の気持ちをどう表現すればいいかわからない、表現して受け入れてもらえるかどうかが不安。

普段から自分の気持ちにすら焦点が当たっていないから、他人の気持ちを想像しようにもできないんですよね。

相手の気持ちを想像できるようになるために

まずは他人の気持ちを想像できていない、想像するのが極端に苦手なんだと認めることです。

問題意識を持つことが変わるキッカケになります。

ただ、自分のことを相手の気持ちを考えられない人間だと思うのは誰だって嫌なもの。

カウンセリングで夫婦関係のことを話していく中で、少しずつ認められるようになっていきます。

出来事だけでなく自分が感じたことや思ったことを話して、自分の気持ちを表現できるようになることも大切です。

カウンセリングを継続していくと、普段の会話でも自分の気持ちを表現する機会が増え、今までわからなかった妻の気持ちが想像できるようになります。

些細なことで妻に怒られることがなくなり、お互いを思いやることができる良好な関係になっていく。

相手の気持ちを想像できるようになれば、痴漢の再犯防止だけでなく夫婦関係も改善するのです。

記事の投稿者


心理カウンセラー西橋康介

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