2017年に発表された厚生労働省の調査では、約320万人がギャンブル依存症の
疑いがあり、男性は女性の10倍もギャンブル依存症の人がいるそうです。
実際に、カウンセリングに相談に来られている方の数も圧倒的に男性の方が多いの
ですが、数は少なくても個人的な問題、1つの家族の問題としては女性のギャンブル
依存症も改善しなくてはならない問題です。

深刻化する女性のギャンブル依存症

少ないとは言え、女性からギャンブル依存症を克服したいという相談もあります。
ギャンブル依存症の人がお金をつぎ込んでいるのは、パチンコとスロットが多いと
言われていますが、女性もパチンコとスロットにのめり込んでいる傾向が高いと
感じられます。

カウンセリングをしていて、女性のギャンブル依存症は深刻化しやすいという印象
を持っていますが、その理由は下記のようなことが要因だと考えられます。

会計を管理していてお金を自由に使いやすい

女性のギャンブル依存症が深刻化する1つの理由は、女性が家計を管理している
ため、夫に気づかれないでお金をギャンブルにつぎ込み続けられるという点です。
また、家族経営で事業をしている場合は、会社やお店のお金を妻が管理していて、
そのお金をギャンブルに使っているという例もあります。

お金が無くなると知り合いに借りたり、消費者金融からお金を借りていることも
あり、夫の知らないところで家計や会社のお金が無くなっている、借金が膨れて
いるということが起きてしまいます。

ギャンブル依存症になると、『ギャンブルでこれまでの負けを取り返す』、
『ギャンブルで勝って借金を返す』という発想になってしまうので、夫に相談
することもなく、ギャンブルを続けてしまうのです。
それも、お金が自由に使えるためにギャンブルに一度につぎ込み金額も増えて
いき、歯止めが利かなくなってしまいます。

女性の否認の心理が深刻化につながる

女性の中でギャンブル依存症が深刻化しやすい人の特徴として、自分の社会的
評価を崩したくないという思い、自分の非を誰にかに知られることが嫌だという
思いが強いという、世間体を気にする傾向があります。

良いお母さんという印象を保とうしたり、ママ友の中で周囲に気を使いすぎたり、
職場でも周囲の期待に応えようとして自分の本音を抑えて無理をしてしまう人が、
ギャンブルでストレスを解消していることも多く、そのタイプの人は自分の社会
的評価を崩すことに強い抵抗があるため、ギャンブル依存症であることを隠し続け
家族、財産、人間関係を失ってしまうところまで堕ちていく恐れがあります。

自分がギャンブル依存症であることを認めない、世間に見せている自分の印象が
崩れる事実を認めたくないなど、自分の非を認めないという心理を否認が強いと
いうこともギャンブル依存症を深刻化する要因です。

女性のギャンブル依存症とカウンセリング

女性のギャンブル依存症のカウンセリングは、家族の支えが重要になります。
そのため、夫と一緒に受けてもらったり、年配の方なら息子さん、娘さんと一緒
に受けてもらうことが望ましいと言えます。

ご本人にギャンブル依存症の改善につながるアプローチをしていくだけでなく、
ギャンブルをすることが難しい環境づくりに関するアドバイスをご家族に対して
行うため、夫婦、または親子でカウンセリングを受けて頂いています。

カウンセラーに正直に話をすること

ギャンブル依存症のカウンセリングにおいては、女性はカウンセリングの中で
自分の世間体を保とうという傾向が男性より強いと感じます。
そのため、カウンセリングの中で自分の本心ではなく、違和感のある反省の弁
を述べたり、自分がいかに悪くないかということを説明したり、事実を曲げて
話したりすることも多いのです。

カウンセリングでは、ギャンブルをしないということを続えけて行くために、
否認の心理を克服することが目的となるので、自分の思いや行動に関して正直
に話して頂くことが重要になります。

カウンセラーには、家族には言いにくいことでも正直に話して頂き、しっかり
と自分と向き合って頂く時間としてカウンセリングを活用して頂くことが改善
につながっていくのです。

ギャンブル依存症で悩んでいる女性、妻や母親がギャンブル依存症である人は、
カウンセリングを活用して下さい。

記事の投稿者


心理カウンセラー衣川竜也