盗撮や痴漢に比べると相談件数が少ない露出行為。

性器を露出して女性に見せつける、興奮して自慰行為に至る人もいます。

女性がキャーっと反応してくれることで快感を得る。

生物が生殖能力を示すためにしてきた行為とも言われますが、心理的には自分を受け入れて欲しい気持ちの表れと見ます。

「ありのままの自分を受け入れて欲しい」思いが強すぎるあまり、性器を露出して受け入れてもらおうとする。

露出する人が相手の反応を求めるのは、たとえネガティブでも「反応してもらえた=受け入れてもらえた」という感覚になるからです。

理解されがたい露出行為ではありますが、背景にある愛情飢餓感は特別なものではありません。

なぜ露出をしてしまうのかについてお伝えしていきます。

親子関係で抱えた愛情飢餓感

幼少期の子供は親とのかかわりを強く求めます。

かまってほしい、一緒に遊んでほしい、話を聞いて欲しい…

抱っこやおんぶ等、親との触れ合いの中に性的な快感を感じるところもあると言われています。

肌と肌の触れ合いで感じる愛情、安心感。

とくに男性は母親との関係に求めるのですが、共働きで家にほとんどいなかったり、弟や妹に付ききっりで相手をしてもらえなかった経験があると愛情飢餓感を抱えてしまう。

親から見て聞き分けが良く手がかからなかった子ほど甘えたい気持ちを抑圧している傾向があります。

もっとかまってほしい、愛してほしい、寂しくて仕方ない。

でも、自分はお兄ちゃんだし、お母さんも忙しいから甘えちゃいけないと必死に我慢してきた。

心の底に満たされない思いを抱えているからどこか虚しさが消えない。

友達や妻との関係で満たそうとするも、本当の自分を出せないから満たされないまま。

一方的に満たしてもらおうとする行為である露出へと行きついてしまうのです。

愛情をもらいすぎて愛情飢餓感を抱えてしまうことも

母親にはちゃんとかまってもらえたし、愛されてきたはずなのに露出をする人もいます。

やりたいことを自由にさせてもらえて怒られることもあまりなかった。

困ったことがあれば何でもやってくれて愛された実感だってちゃんとある。

母親が過干渉や過保護でものすごく良くしてくれたケースも愛情飢餓感を抱えやすいのです。

幼少期に愛情をたっぷり受けた子供は、愛情を受け取る容量が大きくなります。

大きな容量にたっぷりの愛情が入って初めて満足できる。

だから、ひといちばいの愛情がないと不足した感覚になってしまうんですよね。

友達もいて恋人もいて仕事も順調で、何も問題がないはずなのに露出をしてしまうケースもあるわけです。

人を愛せない状態が愛情飢餓感を悪化させる

愛された実感が不足していることで他人を愛する感覚もよくわからなくなっています。

仕事上だけの付き合いなど、表面的な関係ではやさしくていい人に思われやすいのですが、恋愛や夫婦関係といった親密な関係で問題が起こってしまう。

相手にしてみれば思いやりがない、一方的なおせっかいをされる感覚になるから嫌がられたり、勘違いされたりしやすいんですよね。

愛情飢餓感を抱えている人は自分のことで精いっぱいなので、他人の気持ちを考えるところまで至りません。

だから、相手の気持ちを考えたら絶対にできないようなことを平気でして傷つけてしまうこともよくあります。

本人にまったく悪気がなくても相手からすれば耐えがたい苦痛だったりして、愛されたいのに逆に拒絶されて愛されない関係になっていく。

結果として人とかかわることで愛されたい欲求を強めてしまうのです。

露出という行為ではなく言葉で自分をさらけ出す

露出は一方的に愛されようとする行為です。

無理やり「自分を愛してくれ」と相手に欲求を押し付けています。

誰が相手でもそんな身勝手なことをされたら嫌ですよね。

それでもやってしまうのは言葉で上手く自分を表現することができないから。

カウンセリングでも会話になりづらい人が多い印象です。

話し出すと相手の反応や時間を無視して止まらなくなる傾向があったりするのですが、そのままの状態で話すのを繰り返すことが大切だと思っています。

上手く会話できない自分をさらけ出せているわけですからね。

本当の自分を知ってどれだけ表現していけるか。

改善していくにつれ人とのつながりを感じられるようになり、相手の気持ちを受け取ることができてきます。

愛される実感が生まれて自分が自分を愛せるようになれば、露出しないといけないほど過度に愛情を求めることはなくなるのです。

記事の投稿者


心理カウンセラー西橋康介

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