世間一般では「痴漢をする人=性欲が強い」というイメージがあります。

しかし、実際は性欲よりも支配欲求の影響が強いんですよね。

痴漢をしてしまう人は、人のために何かをしてあげたい気持ちを持っています。

それは相手を思いやってではなく、相手を支配して自分を満たすため。

表面上は人が良さそうに見えたりするのですが、動機まで見えればものすごく自己中心的であることがわかります。

なぜ支配欲求が強くなっているのでしょうか?

自分が支配されてきた経験がある

幼児期からの親子関係、とくに母親との関係で支配的なかかわりをされてきた人がほとんどです。

  • 絶対的な権力を持つ母親に逆らえなかった
  • 常に母親からの過度な干渉を受け続けていた
  • 姉や妹を含め女性が強い家庭で父親と肩身の狭い思いをしてきた

結婚して家族を持ってもなお母親の支配から逃れられず、長文のLINE(メール)や電話対応、近くに住んですぐ会える状態にしている人もいます。

さらに、現在の人間関係で支配されている人も多いですね。

妻の顔色をうかがって言いたいことも言えず、上司のパワハラを耐え続けているとか。

支配されることで抑圧されてきた感情が支配欲求を生み出しているのです。

親が子供を利用して自分の欲求不満を解消してきた

子供に支配的なかかわりをする親は、自分自身が親との関係で欲求不満を抱えています。

本当はもっと甘えたかった。もっと愛されたかった。

満たされなかった気持ちを自分の子供との関係で満たそうとするわけです。

子供がどうして欲しいかは関係なく、自分がして欲しかったかかわりを「子供のため」という名目で押し付ける。

自分は子供のためにしてあげているという満足感、自分の存在意義を見出すことにもなっています。

子供は嫌なことを嫌と言えず、親からの支配に耐えるしかなくなっていく。

あまりにもつらくて感情を麻痺させるのですが、自覚がないまま屈辱感や怒り等の感情が蓄積されてしまいます。

支配対象になるのは自分より弱い相手

支配欲求を強く持っていても、自分より強い相手に対しては出せません。

だから、自分より弱い相手を選ぶ。

痴漢のターゲットが従順さの象徴である学生、さらにおとなしそうな女性を選ぶことからも証明されます。

家族にも職場の同僚にも支配欲求が向けられない、どこにも向けられない欲求が見ず知らずの女性に向かってしまう。

家では妻より立場が弱く、職場では「いい人」を演じているか、関係を持たないようにしている人ばかりですからね。

自分より下だと思った相手に横柄な態度をとったり、気づかれないような嫌がらせをしたり、表に出さないけど心の中で馬鹿にしていたり。

本人は自覚していないことも多いですが、普段の人間関係でもどこか人を見下すようなところはあります。

とくに女性を見下すのは痴漢をしてしまう人に共通する特徴です。

支配欲求の原点となった親子関係と向き合う

カウンセリングを受けながら、支配欲求が強いことを自覚して、なぜ強くなったのかを考えていきます。

ずっと親子関係で抑圧してきた感情に気付いていく。

そして、普段の生活でも我慢ばかりせず、自分の気持ちを話せるようにしていきます。

何を聞かれても「どっちでもいい」としか思えないほど、自分をなくしている場合は自分を取り戻していくところから。

今も親との関係で支配を受け続けているのであれば、アドバイスを受けながら関係を改善することも必要です。

人とのかかわりで満たされる感覚が増えれば、他人を支配したいとは思わなくなっていきます。

「支配をされるかされないか」の関係から抜け出し、対等のコミュニケーションが取れるようにしていきましょう。

記事の投稿者


心理カウンセラー西橋康介

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